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谷藤 隆昭; 八巻 大樹; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part2), p.1456 - 1460, 2002/12
被引用回数:9 パーセンタイル:51.3(Materials Science, Multidisciplinary)かさ密度71%TDから92.5%TDの種々気孔率をもつLiO焼結体からのトリチウム放出挙動を等速昇温法により調べた。その結果、71%TDから89%TDのあいだではトリチウムの放出挙動が中性子照射量に強く依存することが明らかになった。また放出律速過程として、次の三段階あることが判明した。すなわち、(1)放出ピークA領域(71%-86%T.D.); 照射欠陥にトラップされたトリチウムが欠陥の回復に伴い、トラップからの離脱により放出される。(2)放出ピークB領域(87%-89%T.D.); 連結開気孔を通じて、開気孔内壁への吸着,開気孔内壁からの脱離,開気孔内の気相拡散などを繰り返しながら表面まで移行する。(3)放出ピークC領域(91%-92.5%T.D.); 閉気孔からの離脱がトリチウム放出の律速過程となり、閉気孔の分布に従って、おもに700K,830K及び1000Kの三個の放出ピークを示す。
日高 昭秀; 工藤 保; 中村 武彦; 上塚 寛
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(7), p.759 - 770, 2002/07
被引用回数:6 パーセンタイル:39.3(Nuclear Science & Technology)軽水炉のシビアアクシデント時における燃料からの放射性物質放出は、ほとんどの場合、高温高圧下で起きると考えられる。放出挙動に対する温度の影響は既存の実験で数多く調べられてきたが、圧力の影響は実験の困難さのためにほとんど調べられてこなかった。そこで、原研のVEGA実験計画では、圧力の影響を調べるため、圧力を0.1MPaと1.0MPaとする以外はほぼ同じ条件で照射済UO燃料を不活性ヘリウム雰囲気下で2,773Kまで昇温する実験を2回行った。その結果、1.0MPaの加圧雰囲気下では、燃料からのセシウム放出割合が0.1MPa下におけるそれと比べて、測定した全ての温度域で約30%減少することを世界で初めて観測した。本報では、それらの実験の概要,測定結果について述べるとともに、試験後にホットセルで行った種々の解析結果について記述する。また、観測された圧力の影響を説明する機構及び計算モデルについて議論する。
谷藤 隆昭; 八巻 大樹; 高橋 正; 岩本 昭
Journal of Nuclear Materials, 283-287(Part.2), p.1419 - 1423, 2000/12
被引用回数:10 パーセンタイル:57(Materials Science, Multidisciplinary)71%TD-98.5%TDの嵩密度を持つLiO焼結体からのトリチウム放出挙動を2K/minの等速昇温加熱法により調べた。嵩密度71から86%TDまでの焼結体では放出ピークは約300であり気孔率依存性を示さなかったが、87-89%TDでは放出ピークは約340となり嵩密度の増大とともに高温側に移行した。さらに、嵩密度87%-98.5T.D.焼結体ではトリチウム放出のピークは430から760にわたり2-3個の放出ピークが現れ、大きな気孔率依存性を示した。以上のことからトリチウム放出の律速過程は次の三種類の放出過程であると推定された。(1)照射欠陥にトラップされたトリチウムがその欠陥の焼鈍に伴って放出される。(2)開気孔内壁への吸着・脱離を繰り返しながら連結気孔内を移行する過程。(3)閉気孔内にトラップあるいは蓄積されていたトリチウムの逃散が律速する過程。
荒井 康夫; 岩井 孝; 笹山 龍雄; 中島 邦久; 野村 勇; 吉田 武司; 鈴木 康文
JAERI-Research 94-027, 66 Pages, 1994/11
本報告書は、混合炭化物燃料ペレットを充填したHeボンド型燃料ピンを組み込んだ87F-2Aキャプセルの照射及び照射後試験結果についてまとめたものである。照射はJMTRにおいて平均線出力60kW/mの条件で行い、燃焼度は4.4%FIMAに達した。照射後の燃料ピンには有害な欠陥も無く健全であった。燃料ピンの断面写真からは、燃料ペレットと被覆管の間のギャップが閉塞されていることが確認された。熱安定型ペレットの採用に起因して、従来の燃料と比較して、極めて低い閉気孔率とFPガス放出率、緩やかな組織変化等が観測された。最大で~0.06mmの被覆管の外径増加が観測されたが、燃料ピンの照射健全性に影響するものではなかった。また、被覆管内面の浸炭現象もみとめられなかった。
荒井 康夫; 鈴木 康文; 岩井 孝; 大道 敏彦
Journal of Nuclear Materials, 195, p.37 - 43, 1992/00
被引用回数:32 パーセンタイル:91.86(Materials Science, Multidisciplinary)ウラン・プルトニウム混合窒化物の熱伝導度に対する気孔率並びにプルトニウム濃度の影響について検討を加えた。熱伝導度は、680~1600Kの範囲で、レーザフラッシュ法により測定した熱拡散率の値から決定した。はじめに気孔率の影響については、焼結温度と気泡形成剤の添加量をそれぞれ変化させて調製したペレットの熱伝導度を求め、開気孔及び閉気孔の影響を定量的に評価した上で、気孔率依存性を表す式上のパラメータを決定した。さらにプルトニウム濃度の異なる6種類の混合窒化物ペレットを調製して、その熱伝導度に対する影響を調べた。その中では、特にUNリッチ側の組成で、プルトニウム含有量の増加とともに熱伝導度が大きく減少するとともに、PuNリッチ側の組成では、熱伝導度の温度依存性が小さくなること等を明らかにした。
燃料工学部
JAERI-M 8068, 100 Pages, 1979/02
この報告は、KFA Julich研究所を通じてオランダペツテンにあるHFRにおいて2種類の黒鉛材料(SM1-24とIG-11)の照射試験を行った結果を照射前諸試験の結果とともにまとめたものである。最大照射量は2.510n/cm(EDN)であり、照射温度は1050-1150Cであった。SM1-24黒鉛とIG-11黒鉛について、寸法変化、ヤング率の変化、1000Cまでの熱膨張係数、見かけ密度、室温電気抵抗、開気孔率、100~1000Cの間の電気抵抗と熱伝導率およびリング圧縮強さ(IG-11黒鉛のみ)が測定された。以上のデータが、照射試料の黒鉛ブロックからの採取法の詳細およびそれぞれの性質の測定法の詳細も含めてまとめられ、記述されている。